カセットレコーダー(YAMAHA K-1x)の修理の記録である。
とりあえず、メーカーに修理の問い合わせをしてみたが、発売(1984年)から20年以上経過しており、修理できない旨の回答が帰ってきた。
自分で修理する理由が出来たので、喜々として修理を行うこととなった。
録音再生が出来ない。かろうじて、早回しは出来る。
キャプスタンベルトが緩んでいた。 長期間ほったらかしにしていたせいか、4cmくらいの緩みであった。 溶ける寸前だったかもしれない。
2006/05
既成の直径90mmでは2cmm強緩かったので、直径80mmのベルトを作成することにした。
用意したものは、ゴムシート(100mm幅、0.5mm厚)、両面テープ、荷造り用半透明テープ、円切りカッター(NTカッター C-1500P)、アルミ板である。
「よいこの工作 カセットデッキのベルトを作ろう①」を参考に、直径80mmの円から直径70mmの円をくり抜く。 これで、幅5mmのベルトが完成する。 直径は80mm-70mmだとちょっときつめ、86mm-76mmくらいが適当らしい(※2006/05/27追記)。
ドリルは使用せず、円切り専用のカッターを使用した。 このカッターはセンターがずれやすいので慎重に位置決めを行う必要があるが、少しずれてしまった。 幅が5mmを超えている部分は、丁寧にハサミでカットした。
今回、ゴム板を貼り付ける物として、たまたま余っていたアルミの端材を使用したが、平らで丈夫ならなんでもよいと思う。
ゴムの幅は不揃いでも、きちんとプーリーの中央に寄る。 キャプスタンモーターのプーリーが樽型だからだろうか。
カバーを外す。カバーは6本のネジで固定されている。
カセットメカ全面のガラスカバーを外す。上方にスライドさせれば外れる。
カセットメカ近辺をコードが走っていて邪魔なので、結線ベルトを切ってカセットメカがスライドできるスペースを確保する。
カセットメカ全体を外す。カセットメカ全体は、上2本、下2本、合計4本のネジで固定されている。
キャプスタンモーターとキャプスタンを固定している板を外す。脇に3本、正面に2本の細いネジで固定されている。 これらのネジの内、脇の1本だけ長さが違うので、復元するとき間違えないようによく場所を覚えておく。
ベルトを交換する。キャプスタンのプーリーに掛けた後、上記板を軽くもとに戻しながら、針金などでゴムを引っ掛けて、 モーターのプーリーに掛ける。
カセットをセットし、再生ボタンを押してもテープが回転しないか、通常より早く回転する。いずれも音は出ない。
ヘッドメカを制御しているモーターが回転していない。モーターを制御するスイッチが接触不良である。
と思ったが、どうやら物理的な抵抗が発生しているようだ。電池を直結してモーターを強制的に回しても止まってしまう (※2006/05/27追記)。
2006/05
ヘッドメカ制御用モーターの制御スイッチは、剥き出しの状態である。 薄い紙に磁気処理スクアランを含ませて、接点に挟み込むように挿入し、軽く動かすと、黒いものが紙に付着した。 これで、きれいになったはず。
ついでに、ヘッドメカ制御用のカムにも磁気処理スクアランを薄く塗布して、物理的な抵抗も少なくしておく。
ここまでしても解決せず。制御用モーター周りを分解しないとだめかも。ということで、対策はさらに続く… (※2006/05/27追記)。
モーターを単体で回転させてみると、モーターそのものの回転が不安定であった。 スクアランを軸に塗布しつつモーター単体でしばらく回転させることで安定した。 カムまでは正常に動作するようになったが、ヘッドメカの負荷をかけるとうまくいかない。 ということで、さらに対策は続く… (※2006/06/10追記)。